ギャンブル依存症の私がギャンブルをやらずにいる日数の最長記録を更新していることと、その要因の一つについて。
私は2019年2月14日に、小樽の精神病院から2度目の退院をした。実は、退院したその日にパチンコを打った。病院から自宅に帰り、荷物を置いてすぐにホールへ向かった。
入院中も外泊訓練で札幌に戻るとパチンコを打っていた。大学は3月いっぱいで退学することになり、仕事があるわけでもなく、入院したからといって何かが劇的に好転するわけでもない。だからといってギャンブルに逃避していい理由にはならないが、どうでもよかった。打ちたいから打った。
とはいえ、入院治療は効果がある。完全にギャンブル漬けの状態にあるときに考えることと言えば賭けることか、さもなくば自殺すること。入院して治療に取り組むことで正常な思考が回復してくる。
「このままギャンブルに侵され続けて人生を終えるのは嫌だ」
深層心理とも言えるそのわずかな気持ちがつながり、退院した翌日から現在まで一度もギャンブルをしていない。2011年の夏に初めてパチスロを打って以来、ギャンブルをやらずに過ごした日数では7カ月が最長だった。それを更新している。
では、その深層心理が実際にギャンブルをやらずにいる生活に結びついている要因は何か。
具体的なものを一つ挙げると「日向坂46」の存在だ。これは決して冗談ではない。
最初にグループの存在を知ったのは2018年4月だが、その時はギャンブルにラリってる真っ只中だったので、そこまで関心を持てなかった。しかし入院期間中に動画を見ているうちに、気づけばファンになっていた。
退院してすぐにアルバム(けやき坂46 1stアルバム「走り出す瞬間」)を購入した。人生で初めて買ったCD。退院したばかりのころは、賭け事をしてしまえばこのグループに対する興味が失せてしまいそうで、それが嫌でギャンブルへの欲求が抑えられたこともあった。
現在は幸いにもそもそも欲求が湧いてこない。ギャンブルへ気が向く隙もないくらい、日向坂のおかげで日常が充実しているのかもしれない。それくらいこのグループは活力・魅力で溢れている。
こんなこと言うとだせえなぁ二度と言うなって言われちゃうかもしれないけど、「自分も頑張ろう、楽しく生きよう」と素直に思えるんだよね。(若林さん風に)
私にとって、ギャンブルにのめり込むことと日向坂にはまることは対極にある。前者では自分の内に閉じ籠ろうとし、後者では自分の世界が外に広がっていく。普段は読まない小説を買ってみたり、興味がなかった映画を観てみたらすごく良かったり、新しいジャンルの音楽を聴くようになったり。
単純なことだけど、でもギャンブルをやっていたら絶対にできないことなのだ。
他にも、オードリーがさらに好きになったり、料理が楽しかったり、花火をしたり、星空を見上げたり。6歳の息子はいないけど、たぶんサトミツさんよりよく泣くしね。感情豊か。
(注: アイドル療法には副作用がある。メンバーの動向に自分の精神状態が大きく左右されるのだ。柿崎が卒業を発表した時には一週間ほどうつ状態になり主治医に相談したりもした。 )
とにかく毎日が楽しい。
しかし油断はできない。私のギャンブルへの欲求は発作的に襲ってきて、ひどいときにはまるで一次的欲求のような避け難い衝動となる。そのときにどう対処するか。
そして、日向坂の存在はあくまで日々を楽しく過ごすための手段であって、私の本質とは無関係だ。ギャンブルへの欲求がなく楽しく過ごしていると言えど、自己の病気や過去から目を逸らしてはならない。
アイドル療法

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