未練

不意に感じた大学への未練。



バイト中に配達で北大の工学部に入った。ほぼ一年前に退学届けを提出した時以来。ろくに通わず大した思い出も無いが、その空気は懐かしかった。

居心地は良くなかったが、嫌いな場所という訳ではなかった。


研究室に籠って連日連夜で研究に取り組む、学会に出席、卒業論文などなど。学究的に時間を費やし、自分の財産となるようなコアで先進的な知識を獲得したかった。生涯学習と言えど、あの時代・場所でしか手に入らないものはあったのだろう。

これは“未練”というよりは“憧憬”かもしれない。入学前と同じレベルで、いやそれ以上に大学生活に憧れている。それくらい大学生というものを何も知らない。


在籍していた8年間、知的欲求は私の中に有り続けたが、より強烈な別の欲求に埋もれていた。いつしか在籍の目的は、ホール通いを止められないが為の手段になっていた。悲しいけど、今回は縁が無かったと諦めはつけた。意外にも気持ちは軽い。



配達の時に感じたのは、後ろ向きなものではなかったのだ。この何も経験しないという経験があったからこそ、今そしてこの先、一生懸命にやろうと思えているのかもしれない。過去10年の私と、今の私。不連続の連続。

2012年大学1年目の終わり、先行きを暗示していたかのような曇天


先日、ある資格の試験を受けた。

「今さら参考書を見たところでぇ」とハスって、直前まで参考書を見ている人たちを尻目に関係の無い本を読んでいたのだが。試験というものがほぼ2年ぶりだった私は、内心ではかなり緊張していた。


斜に構えがち。

コメント

タイトルとURLをコピーしました